見えてきた認知症のメカニズム 悪玉腸内細菌が脳を壊す

公開日: 更新日:

 ドイツの研究チームが未成熟なミクログリアを持つ無菌のマウスに、通常マウスの腸内細菌叢を注入したところ、成熟したミクログリアになったと報告している。腸内細菌が産出する短鎖脂肪酸がミクログリアを活性化したと考えられている。

 実は、腸内細菌叢が脳の神経細胞に影響を与えることはパーキンソン病でも同じだ。

 パーキンソン病(PD)は脳の異常によって体の動きが障害される病気。安静時に震えたり、動作が緩慢になったり、筋肉が硬直したりする。その他に臭覚障害、認知機能障害、抑うつ症状、幻視、便秘、起立性低血圧などを合併することが多い。

 PDはドーパミンと呼ばれる神経伝達物質を作っている黒質という中脳の一部消失により発症する。その原因は、腸内細菌や炎症などさまざまな環境要因により外界と接している神経や腸管神経叢内のαシヌクレインと呼ばれるタンパク質にある。それが蓄積・塊となってレビー小体へと変化。嗅神経や腸管迷走神経を介して脳内へと伝播していくと考えられている。つまり、脳の病気と思われてきたPDもまた腸など全身の動きに支配されているのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動