コロナは“お化け”のような存在ではない 動物ではメジャー
コロナウイルスは、SARSウイルスや中東呼吸器症候群コロナウイルス、新型コロナウイルスを除いては知名度が低く、ウイルスの中ではメジャーな存在ではないと思われる方も多いのではないだろうか。
しかし、コロナウイルスは動物界に感染するウイルスの中では決してマイナーな存在ではない。
ウイルス名は、国際ウイルス命名委員会で決められ、他の生物と同様に「種、属、科、目」のように段階的に分類されている。コロナウイルス科のウイルスは、オルソコロナウイルス亜科とレトウイルス亜科に分類される。オルソコロナウイルス亜科のウイルスは、さらにアルファからデルタまでの4つの属に分けられている。
アルファとベータコロナウイルスは哺乳類に感染している。ガンマとデルタコロナウイルスは主に鳥類に感染している。最新のリストでは、60種以上のウイルスがオルソコロナウイルス亜科に存在する。
伴侶動物には、臨床上重要なネココロナウイルス(一部はネコ伝染性腹膜炎ウイルスと呼ばれている)、イヌコロナウイルスがある。産業動物には、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ブタ流行性下痢ウイルスがあって、養豚業に大きな被害をもたらしている。鳥類には、養鶏業で非常に大きな問題となっている伝染性気管支炎ウイルス(気管支炎、腎炎)とシチメンチョウに腸炎を引き起こすシチメンチョウコロナウイルスがある。