著者のコラム一覧
宮沢孝幸京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授

京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センターウイルス共進化分野准教授。日本獣医学会賞、ヤンソン賞などを受賞。小動物ウイルス病研究会、副会長。

コロナは“お化け”のような存在ではない 動物ではメジャー

公開日: 更新日:

 コロナウイルスは、SARSウイルスや中東呼吸器症候群コロナウイルス、新型コロナウイルスを除いては知名度が低く、ウイルスの中ではメジャーな存在ではないと思われる方も多いのではないだろうか。

 しかし、コロナウイルスは動物界に感染するウイルスの中では決してマイナーな存在ではない。

 ウイルス名は、国際ウイルス命名委員会で決められ、他の生物と同様に「種、属、科、目」のように段階的に分類されている。コロナウイルス科のウイルスは、オルソコロナウイルス亜科とレトウイルス亜科に分類される。オルソコロナウイルス亜科のウイルスは、さらにアルファからデルタまでの4つの属に分けられている。

 アルファとベータコロナウイルスは哺乳類に感染している。ガンマとデルタコロナウイルスは主に鳥類に感染している。最新のリストでは、60種以上のウイルスがオルソコロナウイルス亜科に存在する。

 伴侶動物には、臨床上重要なネココロナウイルス(一部はネコ伝染性腹膜炎ウイルスと呼ばれている)、イヌコロナウイルスがある。産業動物には、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ブタ流行性下痢ウイルスがあって、養豚業に大きな被害をもたらしている。鳥類には、養鶏業で非常に大きな問題となっている伝染性気管支炎ウイルス(気管支炎、腎炎)とシチメンチョウに腸炎を引き起こすシチメンチョウコロナウイルスがある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…