実態以上?新型コロナの死亡はどのようにカウントされるのか
日本ではどうか? 感染した人の死をすべて新型コロナによる死とカウントする自治体と、新型コロナが直接の死因の時のみカウントする自治体とに分かれていた。しかし、今年6月18日付の厚労省の事務連絡により統一され、「新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については厳密な死因を問わず、『死亡者数』として全数を公表する」ことになった。そのため奇妙なことが起きている。例えば、岡山県で最初の感染死と報じられたケースでは、岡山市が「亡くなった人は別の病気で入院していて死因は別」としているのに、感染死としてカウントされ報じられた。
すべての死者の死亡票を精査して最終的な死因を選択してカウントする「人口動態調査」が公表されれば新型コロナによる死者数は変わるかもしれない。「弘邦医院」(東京・葛西)の林雅之院長が言う。
「今年の人口動態調査が発表されれば、新型コロナウイルスの死者は減り、死亡率は低下する可能性があります。これは世界中が同じ状況だと考えられます」
米国CDCが8月までの死者について死因を精査したところ、「新型コロナウイルスが唯一の死因であった死者」は全体の6%で、ほかの死者には、高血圧や糖尿病など平均で2・6件の別の疾患があったという。