「断れない人」は分析的思考が弱く、「断れる人」は共感力が弱い
脳には、他者に対して理性や感情をつかさどるネットワークと、論理的・数学的な部分をつかさどるネットワークがあります。これを同時に働かすことは、実はとても難しい。どちらかの機能を必要とするタスクを行っている場合は、もう片方のネットワークが抑圧されてしまうのです。
たとえば、頭では「断ろう」と分かっているのに、ついつい話し込んでしまう。すでに似たようなTシャツを持っているのに、また新しいTシャツを購入してしまう。それらが起こりうるのは、片方のネットワークが抑圧されてしまうためで、判断が鈍るんですね。
ただし、裏を返せば、共感力があまりない人は物事を分析しがちということ。共感をなかなか得られない人は、一度、分析しすぎる癖をストップし、相手の気持ちに寄り添ってみるといいかもしれません。
逆に、なんでもかんでも人の言うことを聞いてしまったり、うのみにしてしまったりする人は、「ちょっと待てよ」と、意識的に一度立ち止まるようにしてください。そのまま相手の話に耳を傾ける時点で、「他者の気持ちを考えているケース」に相当するのですから、一呼吸置いて「なんで呼び止められたんだ?」と間をつくって分析するようにしてください。