問題が起きればシステム改善 テーラーメードな医療のために
それに対して、スタッフから上がってきた改善策はこうでした。
「まずは患者さんの家の位置をすぐに判断できるよう、都内の地図を町名まで頭にいれる」「患者さんの容体は医師に判断を仰ぐ」「往診で必要な物品は常に車に搭載しておく」「困った時に相談できるフローをあらかじめつくっておく」──。
中でも、稼働している診療ユニットと密にコミュニケーションを取り、空いた時間を調節してさえいれば診察時間が変更になったり夜遅くならずに済んだことを反省。「今後はすぐに各スタッフの診療スケジュールを把握し、すり合わせをする」「タクシーの配車システムのように、全体を把握する役割を担うスタッフとしてルートマネジャーを設置する」などを、即刻行うことになりました。
ルートマネジャーというポジショニングによって、役割責任が明確になり、他の担当者をサポートするという意識が芽生え、院内全体の一体感も生まれて調整がスムーズにいくようになりました。
基本的に情報の一本化ができたため、たとえ急な往診の依頼が複数入ったとしても、その週のルートマネジャーに情報が集約され、すぐにルートの組み替えが可能になりました。
患者さん側に立って改善を続け成長する在宅医療。これから求められる医療のカタチではないでしょうか。