東洋医学の「体質改善」とはどういうことを意味するのか?
東洋医学において体質とは、風邪をひきやすい体質やアレルギー体質といった、その人がもともと持つ独特な体の性質と、生まれてからの生活環境や食習慣などが合わさった、相互作用の結果で形成されると考えられています。
その上で健康的な体質とは、体を構成する「気・血・水」が過不足なくバランスよく存在し、体内を滞ることなく循環している状態を指します。ここでの「水」とは、血以外の体液のことで、津液とも呼ばれています。
生まれつき、または生まれてから前述の何らかの原因により、「気・血・水」のいずれかが不足している場合は「虚弱体質」に分類し、「気・血・水」の流れが滞ってしまった場合は「代謝障害」に分類します。
さらにそれをそれぞれの特徴から7つに分類できます。
気が不足気味の「気虚体質」、血の不足の「血虚体質」、水の不足の「津虧体質」。
気が滞っている「気滞体質」、血が滞る「血滞体質」、水が滞る「痰湿体質」。
さらに陰陽のバランスが失われ、血気盛んで興奮しやすい「陽盛体質」となります。
中でも気滞、血滞、痰湿の「代謝障害体質」は、いったん形成されると、それが原因でまた二次的に新たな病気を引き起こす誘因となりますので、特に注意が必要と考えられています。
いずれにしてもその人の気力と体力が十分に備わっていれば、自然治癒力によってバランスを取り戻せますが、偏りのある生活習慣が長く続いていると、自然治癒力が弱まって復元が困難になり、その体質のもとで何らかの病気を発症しやすくなります。
東洋医学では以上のような未病体質を改善する場合には、まず生活習慣を見直しながら、その体質に合った漢方薬を一定期間服用するなど、じっくりと時間をかけて体質の改善を図ります。そして、それにより病気の発症や再発の予防を目指します。