著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

相手に何かをしてもらいたければ親切の先手を…好意の返報性

公開日: 更新日:

 鑑賞後、サクラは被験者に対して、「私は新車が当たるクジつきのチケットを販売しているのですが、よろしければ1枚25セントのチケットを何枚か買ってもらえませんか?」と告げたところ、コーラを渡された【グループ1】は、何も渡されなかった【グループ2】よりも、2倍もの割合でチケットを購入したといいます。

 上記は、モノを与えることでどのような返報性が働くかを示しましたが、優しさや励ましの言葉も、十分相手に伝わる好意です。親切にしてもらうと、その分、自分も親切にしてあげたいと思いませんか?

 裏を返せば、「倍返しだ」というフレーズが流行しましたが、仕事や生活で嫌な目にあったら、思わず反撃したくなるのも返報性によるところが大きいのです。嫌な態度をされたときに「目には目を、歯には歯を」で応答すれば、延々とストレスフルなラリーが続いてしまうので、相手にしないという判断も大事でしょう。

 そして、距離を縮める際は自己開示も有効です。腹を割って話してくれたり、本音を話してくれたりする人を見ると、「自分を信用してくれているんだな」と感じると思います。ただし、過剰な自己開示は厳禁です。

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