増加している早期乳がんは“切らない”治療で治す…再発率は切除と同等
早期の乳がんに対する「ラジオ波焼灼療法」(RFA)が、昨年12月から保険適用になった。乳がんの治療は早期であっても手術で切除するのが基本だが、この治療法では“切らずに治す”ことが可能だという。国立病院機構東京医療センター副院長の木下貴之氏に聞いた。
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乳がんは日本人女性の9人に1人が罹患するといわれ、女性に多いがんの第1位を占めている。近年は検診受診率の上昇に加え、画像診断技術や針生検デバイスの発達により、しこりなどの自覚症状が見られない0~Ⅰ期の早期で発見される割合が増えているという。
しかし、乳がんの治療はステージに関係なく手術で腫瘍を切除するのが基本だ。手術には、胸の一部を切除する「乳房部分切除術(乳房温存手術)」と、乳房全体を取り除く「乳房全切除術」がある。
「たとえ0期で発見されたとしても、腫瘍や悪性の石灰化が広範囲に広がっている場合には全切除が避けられない。手術による体への負担だけでなく、胸の変形といった見た目の変化に悩みを抱える人は少なくありません」