小児性愛症は治療が必要(2)男児の布団に潜り込んで…逮捕されて家族から絶縁
やがて行動はエスカレートし、“ごっこ遊び”の際、どさくさに紛れてはとこの陰部を触ったり、就寝時には布団の中に潜り込み、そのままはとこに対して口淫を行い射精した。男児は一瞬驚いた表情をしたが、何が起きているか分からない様子だった。A氏はさらに「2人だけで過ごしたい」と強い恋愛感情を抱くようになる。翌日、帰宅後に「やりすぎたかな」と思ったA氏は、男児に「驚かせてごめんね、今度遊園地に行こう」とメッセージを送ったが、返事はなかった。1週間後、被害届を受理した警察が自宅にやってきて、A氏は事情聴取を受けたのち逮捕された。その後の裁判で執行猶予判決を受けたが、妻とは離婚し、自分の家族からも絶縁された。
性加害者の治療を行う性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事の福井裕輝氏はこう話す。
「何かの弾みで小児性犯罪を犯し、自分の性的嗜好に気付く人は非常にまれで、ほとんどは以前から児童ポルノを好んで見て、何年も関心を持ち続けた後に実行に移すケースが多い。小児性愛などの性嗜好障害があったとしても、その嗜好と行動の間には一線を引かなければいけません。嗜好は自覚できますから、行動に移してしまう可能性が少しでもあるなら、すぐに性障害治療を行う医療機関を受診する必要があります」(つづく)