飛行機の中で心臓を守るには持病や生活習慣病の管理が重要
法務省出入国在留管理庁の速報値によると、2024年1年間の日本人出国者数は約1300万人で、2019年比では35.2%減でしたが、前年比では35.2%増でした。旅行業界はコロナ禍で大きな打撃を受けましたが、徐々に回復傾向にあり、今後はさらに海外旅行に出かける人が増えていくでしょう。
心臓にトラブルを抱えていたり、心臓血管疾患リスクの高い人が、長時間に及ぶフライトで旅行する際の注意点については以前も取り上げましたが、あらためてお話しします。
昨年、ドイツ航空宇宙センター・航空宇宙医学研究所の研究で、飛行機に搭乗している間、とりわけ長距離フライト中に飲酒すると、睡眠中に心臓に余計な負担がかかり、危険である可能性が明らかになりました。
飛行機の機内は、地上に比べて気圧が低くなっています。1万メートルほど上空をフライトすると、地上では1.0の気圧が機内では0.8くらいまで低くなり、酸素濃度も70%程度にまで下がります。このため人間の血中酸素飽和度も低下し、低気圧性低酸素症の状態になります。