熊本地震でなぜ損壊多発 「1981年耐震基準」の落とし穴
新基準は「1度目を耐え、その間に補修し2度目の大地震に備えるため」の法改正だったという。05年の耐震偽装事件をきっかけに、建築確認や検査の厳格化を義務づける改正建築基準法も07年に施行されたが、1981年の新基準そのものが厳格化されたわけではない。築浅の物件だったとしても万全とはいえないという。
「1981年の耐震基準はあくまで最低限の基準と考えた方がいいでしょう。これからマンションを購入しようとする人は、なるべく免震や制震の対策をした物件を選んだ方がいいかもしれません」(北村春幸氏)
全国には新耐震基準を満たしていない住宅が約900万戸あるが、新基準をクリアしていたとしても「すべて安心」とは言い切れないようだ。ネットで検索すると、「免震」や「制震」のリフォームを得意とする建築業者もある。カネはかかるが地震保険と並行して検討してみてもいいかもしれない。