進まぬ東京の直下地震対策 自治体や個人ですぐできること
それでは具体的に何をやればいいのか。東京都のHPによると、主に首都直下地震の減災対策として「木密事業」「道路沿道建築物の耐震化(幹線道路の耐震化)」「無電柱化」に力を入れるとある。
「自治体が懸念しているのは、1923年の関東大震災の二の舞いです。当時は延焼火災によって10万人が命を落としました。その経験から、墨田区や江戸川区など都内の東側に位置する下町の木造密集地の不燃化を目指しています。また、震災後の緊急輸送に備えた幹線道路の周囲の建物の耐震化と、電柱類の電線を地中に埋めて無電柱にすることです。震災時に安全に移動できたり、電線による火災リスクを減らしたりする取り組みです」(土屋信行氏)
ただし、これらの対策は時間がかかる。下町の住宅密集地は、何十年も前から対策が叫ばれているが、改善のペースはスローモー。
建物の耐震化はカネがかかるし、無電柱が実現しているのは駅前ぐらい。きょうあすにも大地震が来ておかしくないという現状に対し、まるで追いついていない。
■防災拠点をつくることが大事