南海トラフ地震の発生前に警戒される…大阪にある「7つの活断層」とは
将来、関西に起こるとされる大地震といえば南海トラフ地震だが、その前に大阪が大地震に襲われる可能性もある。大阪の地下には、地震を起こすとされる活断層が多く走っているからだ。地中に大きな力が働いたとき、地盤にずれが生じることがある。この地盤のずれを断層といい、複数の断層が集まったものが断層帯だ。近年まで活動が確認されたものや、将来的な活動が予測されるものを活断層と呼ぶ。地上での地震は、この活断層がふたたび動くことで発生するのだ。
大阪で確認されている主な活断層は7つ。まずは兵庫県の神戸北区から大阪府高槻市に走る「有馬・高槻断層帯」だ。これは1596年に京都伏見城を倒壊させた慶長伏見地震を起こした断層帯で、2018年6月の大阪府北部地震も、この付近で発生した。
大阪府島本町から京都府綾部市へと伸びる「三峠・京都西山断層帯」は上林川、三峠、京都西山の3つの断層帯で構成され、最後に活動が確認されたのは3世紀ごろ。それ以降、大規模な地震は確認されていないが、マグニチュード7クラスの大地震を起こす可能性があるとの指摘もある。
活断層全体が同時に活動する可能性も
大阪府枚方市の生駒山地から羽曳野市に伸びる「生駒断層帯」、大阪府箕面市から淡路島までの「六甲・淡路島断層帯」、大阪府豊中市から岸和田市までの「上町断層帯」も、今後30年以内にマグニチュード6から7クラスの地震発生の危険が指摘され、大阪湾内にも大阪湾断層帯という長さ約39kmの活断層が確認されている。
そして最後が「中央構造線断層帯」。大阪府と奈良県の県境にある金剛山地からはじまるので、厳密にいえば府内を走ってはいないが、その長さは大分県の由布市までの約 444km。断層帯の一部が動くだけでもマグニチュード7クラスの地震が発生し、全体が同時に活動するとマグニチュード8以上の超巨大地震が起こるとされる。可能性はごく小さいというが、地震調査研究推進本部などの各省庁機関から警戒を向けられている。
なお、南海トラフ地震を起こすという南海トラフは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが沈み込む駿河湾から日向海盆までの海底盆地を指している。沈み込むプレートのエネルギーが解放されることで、発生する地震の規模は最大予想でマグニチュード9。その被害は東日本大震災をも超える可能性もある。