政府が発表「日向灘」「沖縄」にM8地震発生の可能性 南海トラフとの関係を専門家に聞く
政府の地震調査委員会は3月25日、日向灘で大津波を伴うマグニチュード(M)8クラスの巨大地震が起こる可能性を発表した。日向灘ではこれまで巨大地震の発生は指摘されていなかったが、産業技術総合研究所が1662年に起きた地震による地層からシミュレーションし、当時M8クラスの巨大地震が発生していたと考えられるという。
今後30年以内のM8クラスの発生確率は「不明」としながら、M7~7.5クラスの地震が起きる確率は80%程度と結論付けている。
一部の専門家からは「日向灘」を震源域とする地震の可能性は前々から警告されていたが、今になって政府が調査結果を発表したのは気になるところだ。なぜなら日向灘では有感地震が多発していて、日本気象協会の統計では震源地ごとの地震発生回数で日向灘は51回(期間は、21年12月19日~22年03月29日)。先日大きな地震があった福島県沖に次いで全国で2番目だ。最大で今年1月22日のM6.6を観測した。
さらに、地震調査委員会は、沖縄県一帯を囲む南西諸島周辺でも、M8の巨大地震が起きる可能性があると評価。与那国島周辺では今後30年以内にM7級の地震が「90%以上」の確率で起こると結論付けている。すでに沖縄本島北西部や先島諸島、鹿児島県トカラ列島などでは、頻発に地震が発生している。島ゆえに観測点が少なく大きな揺れにはなっていないが、それぞれの地震の規模は意外に大きい。いずれにしても、南海トラフの巨大地震想定域と繋がっていて、どこで起こっても南海トラフの巨大地震と連鎖するようにみえるが、専門家はどうみるのか。