「パナウェーブ研究所」は大学助教授の死亡で5人逮捕…19年前に白装束で世間を騒がす
2003年に岐阜県八幡町(現・郡上市)の林道を占拠したり自動車十数台を連ねて全国を移動して連日ワイドショーに追い回された「パナウェーブ研究所」。信者たちが白衣と白マスクで身を包み、団体のクルマが白布で覆われていたことから「白装束騒動」とも呼ばれた。
パナウェーブ研究所は、千乃裕子を会長とする宗教団体「千乃正法会」の一部門。騒動の最中、千乃は「ニビル星」なる天体が地球に接近し天変地異で人類が滅亡すると予言して騒ぎ立てたが、予言は外れた。千乃は最終的に、金星人がニビル星に水素爆弾を打ち込んで粉々にしたため、地球の危機が回避されたと説明した。この騒ぎの直後、白装束の一行は福井県五太子町にある自分たちの施設に落ち着いた。
ところが同年夏、パナウェーブ研究所のメンバーだった大学助教授が施設内で変死。司法解剖の結果、死因は熱中症と外傷性ショックの複合的要因の可能性があるとされ、県警は助教授を竹刀などで暴行したとして、メンバー5人を逮捕した。
パナウェーブ研究所は、電磁波は人体に有害であると考え、車両に滞留している電磁波を地面に流して除去する「アースチェック」なる行為を行っていた。死亡した助教授は千乃が乗る車両のアースチェックに失敗したとして、メンバーから棒や竹刀で背中を殴打されていた。後に5人はそれぞれ罰金20万円の略式命令を受けている。