著者のコラム一覧
藤倉善郎ジャーナリスト

1974年、東京都生まれ。カルト問題を20年以上にわたり取材。2009年にニュースサイト「やや日刊カルト新聞」を創刊し、総裁就任。著書に「『カルト宗教』取材したらこうだった」など。「徹底検証 日本の右傾化」(塚田穂高編著)、「だから知ってほしい『宗教2世』問題」などの共著も多数。

世界救世教の分派「救世神教」はコロナ禍前から“ワクチンは劇薬”と主張していた

公開日: 更新日:

 2019年1月、三重県の「民間団体」で麻疹の集団感染が発生したとニュースになった。感染者は中高生を含む10~20代の男女27人。前年末に開催された研修会の参加者で、大半がワクチン未接種だった。以後、関西や東海地方で関係者以外にも麻疹感染が広がり、大騒ぎになった。

 当初は地元の行政が団体名を非公開にし、メディアも報じなかった。この団体が「救世神教」であることをつかみ、ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」でスクープしたのが、現在旧統一教会問題で活躍中のジャーナリスト・鈴木エイト氏だ。

 救世神教は世界救世教の分派。世界救世教の教祖・岡田茂吉は、手かざし(浄霊)で病気を治せると主張、これこそが科学であるとして一般的な医療を否定した。岡田が生きた明治から昭和初期は医療も未発達だったが、世界救世教とその分派は現在でもこの教義を維持している。もちろん救世神教も例外ではない。

 救世神教はワクチン接種も否定している。19年当時、教団のウェブサイト「浄霊奇蹟の体験」には〈ワクチン接種を迫られた私の体に大異変! 浄霊と祈りではしか抗体の数値が10倍に〉とする信者の体験談が。教団の機関誌「神教」には〈三男は、妊娠中からご浄霊を頂く中で育ち、ワクチンや予防接種などは1本たりとも体に入れていない〉との体験談が掲載されていた。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由