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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

酷評されがちな慶応横浜初等部が「幼稚舎より優れている」と評価される2つの魅力

公開日: 更新日:

「初動から失敗しているんです」と振り返るのは慶応大の文系教授。11月22~25日に入試が行われた慶応横浜初等部のことだ。

 幼稚舎に続く慶応2校目の小学校として開校したのは2013年4月。当初の予定では11年に小中一貫校としてスタートするはずだった。2年遅れた上に中学を断念せざるを得なかったのは「首脳部の責任」と文系教授は断罪する。

「慶応創立150周年事業の目玉だったのですが、安西祐一郎元塾長のワンマン体制下での経営失敗が響き、大幅な計画見直しに追い込まれた」

 01~09年の安西塾長時代、ハコモノを次々に建設。さらに金融取引の失敗で400億円を超える含み損を計上。慶応の財政はガタガタになっていた。「そもそも、慶応に2つの小学校は必要だったのか」と疑問を投げかけるのは70代の幼稚舎OBだ。

「安西さんは第二幼稚舎をつくるといって計画を推し進めたわけだが、その発想自体、間違っている。彼自身、幼稚舎の出身だからよくわかっていると思うが、唯一無二の存在なんです。横浜初等部の創設はそのブランドをおとしめる愚行」

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