浅草橋「むつみ屋」→「西口やきとん」とはしご酒 脳裏に蘇った金髪姉ちゃんの豪快な笑い声
タン元の塩、ホッピーをぐびり
アタシのいでたちを見た彼女、焼きトン初心者だと思ったのか、「タン元はタンの根元で柔らかいところ。おいしいからこれにしな。塩がいいよ」。「じゃ、それとホッピー」「うちの煮込みは塩味で野菜が多いから体にいい」「じゃ、それも」。そうとは知らず、串焼き屋の若女将に串焼きのうんちくを語って恥ずかしい思いをしたことがあったけれど、なにはともあれ謙虚が一番。あれ以来、この店ではアタシの焼きトン歴50年はナイショ。勧められるままに串焼きを食べていたものの、金髪のその彼女もコロナを境に姿が見えなくなってしまった。返す返すもコロナは罪だねえ。今夜もタン元(135円)の塩で、ホッピー(550円)をぐびり。その瞬間、金髪彼女の「ガハハハッ」という笑い声が脳裏に蘇った。
(藤井優)
○むつみ屋 台東区浅草橋1-18-6
○西口やきとん 台東区浅草橋4-10-2