広がる義援金詐欺の巧妙手口と悪辣…能登半島地震「心配しています」と同情装いダマす
盗っ人にも三分の理とは言ったものだが、地震に乗じた犯罪は理屈抜きで許してはいけない。すでに有名なボランティア団体をかたった義援金の詐欺メールが発生している。最近はキャッシュレス決済サービス「PayPay」を介して送金させるなど手口が巧妙、かつ悪辣になっている。
■スマホに届くメールはすべて怪しい
「能登半島地震に便乗した不審メールがすでに出回っています。最近はネットで募金する人も多いため、今後は偽の義援金募集サイトにも注意してください。自治体や個人名で募金を直接お願いするケースはなく、基本的にすべて“怪しい”と思って構いません」
こう注意を促すのはシステム開発「トビラシステムズ」の岩渕るみ氏。同社は振り込め詐欺対策用の電話システムなども提供している。
岩渕氏が指摘するように、支援をかたった不審メールは地震発生直後から出回っている。
「例えば、『お返事がなかったので地震の被害にあわれているのではないかと心配しています』『家が石川だったと思うので、正月で帰省したりしていないか心配です。同窓会は欠席になりそうですか?』といった文面が送られてきたりします。SMSやMMSで携帯電話の電話番号やメールアドレスに送信されてくるわけです。この時点で金銭を要求されたり詐取されているわけではありませんが、うっかり返信したりURLをクリックするような人は、『騙されやすい人』として詐欺集団のリストに入ってしまう恐れがあります」(岩渕氏)
トルコ地震の際には「寄付金、物資寄付情報を共有して被災者の福を祈ってください! https://」といった偽の義援金募集サイトが確認されている。文面のURLをクリックすると、仮想通貨による送金を促す不審なサイトにつながるのだ。
「Xなどのネット上の情報をうのみにせず、募金をしたい場合は、自ら石川県など自治体や支援団体の公式サイトで情報を確認するのが自衛になります」(岩渕氏)