難関試験を突破したはずが…新入社員と企業側の「ミスマッチ」はなぜ生じるのか
そして、主に大学4年時から本格化するグループ面接では、グループごとに議論するテーマ、参加者ごとに進行の役割がそれぞれ与えられ、その様子を採用担当者などが見て、参加者一人一人について「積極的に発言しているか」「周囲の人の意見もよく聞いているのか」「臨機応変に対応しているのか」などを判断。そして、1つのグループで1~2人ずつ通過者が選ばれ、そこでようやく、1次面接、2次面接と進み、最終面接に至る流れだ。
もちろん企業規模にもよるのだが、今の多くの学生は大なり小なり、こうした二重三重の厳しい入社試験を潜り抜けて就職している。それなのになぜ「話が違う」となるのか。
■採用試験が厳しい余り、学生は企業側が求める人材の姿に自分を合わせている
今春から大手金融機関で働く鈴木祐樹さん(仮名・23)は「ミスマッチは仕方がない」と言い、こう続ける。
「学生時代は内定がほしくて、つい自分の本当の姿を偽ってしまうんです。とにかく採用試験が厳しいですから。ガクチカでは、ウケそうな事ばかり狙って脚色したり、グルディスでは協調性ありますよとアピールしたり。企業側もこういう人がほしいと考えて様々なハードルを課しているのでしょうが、結局、学生が求められている人材の姿に自分をムリヤリ合わせているだけ。パリピ(明るい人)じゃないのに、陰キャと思われるのが嫌でパリピを装ったり…。でも、入社後は本当のありのままの自分ですから、こんなはずではなかったと思ってしまうのもある意味、無理はないでしょう」