難関試験を突破したはずが…新入社員と企業側の「ミスマッチ」はなぜ生じるのか
<「入社前と話が違う」 退職代行サービスに新入社員から依頼相次ぐ>
14日付の毎日新聞は、新年度が始まって10日余りにもかかわらず、新入社員本人に代わって企業側と退職について交渉する「退職代行」サービスの依頼が相次いでいるという状況を報じていた。
記事では「入社前と話が違うのですが……」と切り出す新入社員が多いと書いていたが、なぜ、こうしたミスマッチが生まれるのか。
バブル期入社の“働かないおじさん”世代には理解できないだろうが、今の新卒採用の試験はとにかく複雑でハードルが高い。大卒の場合、早い会社では3年夏から「説明会」という名のエントリーが始まり、学生は就職を希望する企業に志望動機やガクチカ(学生時代に力を入れた事)などを書いたエントリーシート(ES)を提出。それが通ると「替え玉受験」で問題となったウェブテストなどを受けるのだが、このテストは単なる性格テストだけではない。
中学や高校受験レベルの数学や空間図形、文章題、知能テストなどが短時間のうちに次々と出題され、正答率だけでなく、解く時間なども重視されるという。そして、それが通るとようやく、グループ面接(いわゆるグルディス)に進むのだ。