新人社員の“コミュ力”は本当に低いのか…上司の半数近くが「困った」と回答
冒頭の調査でも、上司が新卒との関わりで悩むことのトップは「コミュニケーションでどの程度踏み込んでいいか」。半数近くの48.4%が悩んでいるという結果に。
飲みニケーションの是非はさておき、そもそも今どきの若手もコミュ力がないというより、経験不足なだけじゃないか。「ただ、単純な訓練だけでどうにかなるものでもないと思いますね」と、明大講師の関修氏(心理学)はこう続ける。
「子供の頃からデジタルデバイスに囲まれて育った今どきの20代は、日常のコミュニケーションの基本にSNSがあるわけです。ベースがSNSの平成世代に、“対面”が当たり前だった昭和世代のやり方を重ねたところで、うまく育つわけがありません。彼らには彼らのコミュニケーションの取り方があることを、まず理解した方がいい」
とはいえ、仕事になれば対面のコミュ力が問われる場面も増える。
「コミュ力が高い、低いという以前に種類が違うわけで、別の訓練が必要になる。もともと学習能力はあるので、たとえば取引先との打ち合わせとかプレゼン、接待など、状況別に作法や言葉遣いなどのマニュアルを作って“インストール”してあげれば、うまく対処できるようになるでしょう」(関修氏)
“俺の背中”を見せるだけでは育たないか。