レコードの魅力とは? もうすぐ100周年の老舗中古レコード店社長に聞いた

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レコード社(東京・神保町)

 ターンテーブルにレコードを置いて針を落とすと、イスに座るころに音楽が始まる。いま、レコードが見直され、親しんだ昭和世代はもちろん、若い人もレコードを手に取っている。レコードの伝道師ともいうべきオーナーの店を見つけた。

 その名もズバリ、「レコード社」は1930年、東京・神田神保町で産声を上げた。もうすぐ100周年。老舗中古レコード店の社長・伊藤幸一さんが業界の浮沈を乗り越え、笑顔で語る。

「今は3階建てのビルですが、1974年の入社当時は2階建てのボロ屋。それでも新品も中古も、レコードがバンバン売れる良き時代でした。新聞の求人広告を見て応募したときは、レコードを作るのか、売るのか分からないまま応募して合格してから、私の人生、レコード一筋です」

 60~70年代はレコードの黄金期で、75年「およげ!たいやきくん」(子門真人)457万枚を筆頭に、72年「女のみち」(宮史郎とぴんからトリオ)326万枚などミリオンヒットが連発。69年「黒ネコのタンゴ」(皆川おさむ)224万枚、68年「恋の季節」(ピンキーとキラーズ)208万枚、73年「なみだの操」(殿さまキングス)197万枚と続く。「たいやきくん」の記録は、いまもダントツだ。

「76年8月に『ペッパー警部』でデビューしたピンク・レディーの人気も凄まじかった。入荷すると同時に右から左に売れていきましたから」

 ところが80年代に入ると、CDとレンタル店の大流行で、レコードの売り上げは2~3割減に。レコード業界がレンタルレコード店大手4社を著作権侵害で訴えたこともあった。

「CD全盛となってレコードの売れ行きは落ちましたし、最近ではコロナの影響もありました。確かに浮き沈みは激しいですが、ウチは創業以来、一貫してレコードのお客さんを大事にしています。1階入り口の看板に『売るとき 買うとき 便利な店 レコード社』とあるのが、ウチのモットーです」

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