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内田正治タクシードライバー

1951年埼玉県生まれ。大学卒業後、家業の日用品、雑貨の卸会社の専務に。しかし、50歳のときに会社は倒産。妻とも離婚。両親を養うためにタクシードライバーに。1日300キロ走行の日々がはじまった。「タクシードライバーぐるぐる日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

(20)お客の話を聞いてあげるのも、ドライバーの仕事のうち

公開日: 更新日:

「ご主人、本当に幸せだと思います。3食食べさせてもらえる。私は訳あってこの年で独り者、コンビニ弁当や立ち食いそばばかりです。内心では、ご主人も奥さんには感謝しているんですよ。なによりご主人は、奥さんや家族のために勤め上げられた。それだけでたいしたもんじゃないですか」

 すると彼女は、わずかに笑みを浮かべてこう言った。

「まさか運転手さんから主人のことを褒めてもらえるなんて……。その通りかもね。ちょっと主人を見直すことにするわ。いいお話聞かせてくれてありがとう。少しだけどお釣りはけっこうです」

 そう言い残してクルマを降りていった。少しクルマを走らせてから、私は湘南で暮らす別れた妻を思った。「元気で暮らしているかな」と……。

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