NPO法人キッズドア炎上の理由「世帯年収1000万円はもっと負担を」に多子世帯が反発
批判が出たことを受けて渡辺理事長はXで次のように反論した。
「本人がいくら優秀でも、下の兄弟のために、大学進学を諦めてもらわなきゃならない親がたくさんいます。どうやっても行かせられない。『弟の高校を優先するので、自分は大学を諦めます』。そういう子どもに、それはしょうがない、親を恨めというような人もいるのでしょうが、私は、やはりそういう状況は無くした方がいいと思います」
■世帯年収1000万円でもそれぞれ異なる事情
この渡辺理事長の反論にも主に多子世帯から批判が出ているという。多子世帯に詳しいジャーナリストの中西美穂氏が言う。
「おそらく渡辺理事長は貧困家庭への理解は深いのでしょうが、一般多子家庭の実態がほとんど分かっていないのだと思います。子供が3人以上の多子世帯で、東京や大阪など都市部で生活している場合は、世帯年収が700万円以上あっても生活に余裕のない家庭がほとんど。地域によっては、こども医療費助成に所得制限が設けられていたり、年齢制限があったりします。また、障害がある子供がいることでも、その家庭の負担額は増加します。つまり、家庭によって事情はそれぞれなのに、昔ながらの『世帯年収』で一括りにしようとしていうところに乱暴さを感じる人が多いのでしょう。渡辺理事長の説明はいずれももっともにも聞こえますが、それで世帯年収1000万円の家庭が応能負担する理由に結びつけるのはいささか飛躍があると思います」