エムポックス再拡大で日本は大丈夫か…コンゴ周辺で感染者急増、スウェーデンで重症型初確認
アフリカ中部のコンゴ民主共和国を中心に流行が再拡大しているエムポックス(サル痘)の感染者がスウェーデンでも確認され、衝撃が広がっている。15日に公表した当局によると、毒性が強く致死率も高いタイプの「クレード1」で、アフリカ以外で初だという。同国で今年、1万5600件以上の感染が判明し、537人が死亡した事態などを受け、WHO(世界保健機関)が2022年以来2度目となる「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言した直後。パンデミックの危機が訪れているのか。
エムポックスは天然痘と近縁のウイルスで、国内では感染症法上の4類に指定されている。7~14日ほどの潜伏期間後、頭痛、発熱、リンパ節の腫れ、水ぶくれを伴う発疹などの症状が現れる。世界的な流行はいったん落ち着いたのに、なぜ再び拡大しているのか。
昭和大医学部名誉教授の二木芳人氏(臨床感染症学)はこう言う。
「これまではホモセクシュアルの性交渉によって感染が広がるケースがほとんどでしたが、家庭内に持ち込まれて女性や子供にうつるなどして、感染者が増えています。しかも、死者数も増加している様子。ウイルスが変異し、感染力が強く、重症化しやすくなったと考えられる。コンゴ周辺国でも急速に流行しています」