能登半島豪雨の惨状…山間住民を苦しめる岩や流木、震災で残った田んぼも被害に
被災地は「またか……」と落胆している。
震災からの復旧・復興を目指す石川県の能登半島を襲った豪雨。20日から降り続いた猛烈な雨により、合わせて23もの河川が氾濫。土砂災害や浸水などの被害が拡大しており、24日時点で8人が死亡、2人が行方不明、5人が安否不明になっている。
輪島市では、元日の震災で家を失った人向けの仮設住宅団地5カ所で床上浸水が発生した。また、氾濫した河川に住宅ごと流されるといった被害も確認されている。
こうした都市部での惨状に目が向けられる一方で、あまり報じられていないのが山間部での被害だ。石川県能登町在住で、石川県防災士会副理事長の中山幸永氏はこう話す。
「山奥の地域など、河川の上流では大きな岩や流木がそのまま田んぼに流れ込んだり、橋に引っかかったままになっています。スギなどの大きな木が土砂とともに流されてくるので、重機でもなければとても取り除けません。また、地震で地盤が緩んでいる中での豪雨だったので、土砂崩れなどの山林のダメージも目立つ。山の再生には時間がかかりそうです」