石破政権が掲げる高額療養費見直しのデタラメ根拠…「賃金・物価上昇ゆえに上限引き上げ」の論理破綻を野党指摘
療養費制度は現状、70歳未満の場合、ざっくり5つの所得区分に応じて負担上限額が決まっている。例えば年収370万~770万円なら負担上限は月額8万100円、年収770万~1160万円なら16万7400円といった具合だ。年収が上がれば当然、上限額も上がる。
■「壊れたロジック」
井坂氏は2015年と22年の保険加入者の年収別割合を示し、「7年間で賃金が増え、加入者がより高い年収区分に移動した」と指摘。加入者全体の平均負担上限額が同期間に「8万1117円から8万6086円へ6.1%も増えた」と分析した。
つまり、賃金が上がれば負担上限額も自然に上がるため、そもそも賃金・物価の上昇は引き上げの理由にならないのだ。井坂氏に改めて聞いた。
「負担上限額の平均が上がっているのは、まさに年収が増えているからです。政府には『賃金・物価が上がったから上限を引き上げねばならない』というロジックを改めていただきたい。この点を厚労省が理解していないとは思えませんが、保険制度を作る担当者として問題があると思います」