「2024年経済予測」一度値上げされた商品は元には戻らない…デフレとインフレが共存する
内閣府は12月1日、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す「需給ギャップ」が、23年7~9月期はマイナス0.5%と需要不足になったとの推計を発表した。
金額に換算すると年3兆円程度の需要不足となる。需給ギャップは外出規制緩和などコロナ禍収束の4~6月期に15四半期(3年9カ月)ぶりにプラスに転換していたが、再びマイナスである。
日本経済の需要は企業売上高と相関していよう。財務省が発表した23年7~9月期法人企業統計によれば、金融・保険を除く全産業の売上高は前年同期比5.0%増。内訳は製造業が同3.5%増、非製造業が同5.6%増、経常利益は同20.1%増と3四半期連続のプラスで、7~9月期としては過去最高益だ。
非製造業の伸びは、小売りや外食などの値上げ浸透の結果だろう。スーパー、牛丼チェーン、ファミレスなどあらゆる分野で価格改定が浸透している。
帝国データバンクによれば、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした12月の飲食料品値上げは677品目である。23年通年の値上げ品目数は累計で3万2395品目、1回当たりの値上げ率平均は15%と、22年の水準(2万5768品目、同14%)を上回る値上げラッシュの一年である。