「誰が払うねん!」大阪万博は赤字必至…「国vs府」で責任押しつけ合いの醜悪バトル
お笑いの本場の名に恥じない、ツッコミどころ満載の大阪・関西万博に、新たなツッコミが噴出している。万博の運営費が赤字になった場合に「誰が払うねん!」である。
大阪府の吉村知事は13日、夢洲にある万博会場予定地を視察。350億円もの巨額な建設費用が批判されている大屋根(リング)について、「圧倒的で、ここにしかない。実際に足を運べば考え方は変わる」と大絶賛した。
いくら建築物として素晴らしくても、今のところ開幕後に解体される予定に変わりはない。莫大なムダ金が発生する可能性に加え、赤字リスクもはらむ。
万博の運営費は人件費の高騰などに伴い、当初の809億円からさらに350億増えて1160億円に上振れする見込み。運営費は主にチケット収入で賄われるが、肝心の売り上げは振るわない。先月30日に始まった前売りチケットの販売実績は開始1週間で5.4万枚。1400万枚の目標達成に丸5年もかかるスローペースだ。
赤字必至の状況に政府は「補填することはない」(西村経産相)と明言し、吉村府知事も「万博は国の事業で、国が(不足分を)負担しない中、府市が負担するわけがない」と断言。醜い責任の押しつけ合いになっているが、そもそも国は2019年に博覧会国際事務局に提出した「登録申請書」で、運営費に関して次のようにうたっている。
〈費用の見込みは、来場者数が見込みに達しないなど不測の事態が生じ、見込み通りの収入が得られない場合を想定して、来場者数を2500万人で試算しており、この場合でも、収支バランスが取れることが確認できている〉
想定来場者数(2820万人)が2500万人だとしても収支に問題はないとの主張だが、2500万人でも東京ディズニーランドやUSJの年間来場者数の約2倍にあたる。どんぶり勘定もいいところだ。運営費が足りない場合に誰が補填するのか、前もって決めておくべきではなかったか。国際イベントに詳しい関係者はこう言う。
■きちんと支払いが行き渡るのか
「万博規模の国際イベントを実施する場合、主催者側は基本的に赤字を想定していません。そもそも赤字にならないように予算を組み立てるからです。運営費が不足した場合に心配なのは、受託側の下請け企業の末端にまで、きちんと支払いが行き渡るのかどうか。“川下”の企業が働き損になってしまわないかが問題です」
一体、最後は誰が責任を持つのか。それこそ、「身を切る改革」をモットーにしている吉村府知事がポケットマネーを出したらエエんちゃう?