「政治とカネ」でまたひと儲け? “政商”竹中平蔵氏が提言した鼻白む「政治改革」
ポスター電子化の管理をどの組織が担うのか。助成金支給にあたり、どうやって差配するのか。選挙制度を所管する総務省がカバーしきれるのか。役所が手いっぱいとなれば、民間に下ろすのが常道だ。
■法改正はまたとない利権のチャンス
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「言うまでもなく、行政や公共サービスの民営化は善しあしがある。弊害の最たるものは企業による中抜きです。新法制定や法改正のタイミングは、新たな利権が生まれるビジネスチャンス。商売人によってはまたとない機会です」
竹中氏が一昨年8月まで会長を務めたパソナグループは、小泉政権以降の規制改革でボロ儲け。それに飽き足らず、コロナ禍ではワクチン接種事業で中抜き。東京五輪の業務委託をめぐっても疑惑が絶えなかった。政商が30年ぶりの政治改革をあおり、古巣に一儲けさせようというなら、鼻白みものだ。
「国政選挙は国営化し、選挙管理委員会が監督すればいい。選挙運動費用の上限を設定し、必要経費と認められるものはすべて公費負担。陣営の持ち出しであろうと、超過は一切認めない。そうすればカネにものをいわせる運動はできない。活動が制限される分、公開討論会などを各地で開き、ネット配信すれば有権者に判断材料を示すことはできる。選管に立ち入り検査権を付与し、国税当局に告発する権限も持たせれば、そう悪さはできません」(角谷浩一氏)
政治資金規正法の厳罰化で政治家の裏金づくりに歯止めをかけても、悪徳企業のネコババ案件を増やしたら意味がない。