「空間デザイン心理学」とは…ソファの位置で離婚も!間取りと家具の配置で人間関係は変わる
問題行動を起こす子どもの部屋には共通点が
私たちが人生の大部分の時間を過ごす家が、住む人の特性や真のニーズに無関与でつくられているのは、よく考えると問題だ。なぜこれまでこうしたアプローチがなかったのか。高原さんは原因の一つとして、学術機関の建築学科の教育方針を挙げる。
「大学などは基本的に縦割りなので、建築は建築だけを、心理学は心理学だけを研究するのが一般的です。また研究者と実際の建築現場の距離が遠いのも問題の一つです」
こうした分野は欧米で先行していることが多いが、「主にマーケティングやウェブデザインに関連するもの。一番近い環境心理学も、住宅に特化しているわけではなく、純粋に住む人の幸せに焦点を当てた学問はない」そうで、空間デザイン心理学の先進性が際立つ。
住む側にも、空間と心理の関係性に気づいて欲しいと高原さんは熱を込めて言う。
「夫婦間の会話がない、子どもが反抗的な行動を見せるなどの問題がある場合、もしかしたら原因は住まいのせいかもしれないと考えるべきです。特に小さいお子さん、具体的には小学校に入学する前の子どもを持つご家庭には、関心を持ってもらいたいです。なぜなら不登校になる子どもや問題行動を起こす子どもの家庭には、間取りの上で共通点があるからです」