LIXILが今度は48億円の損失計上…潮田前会長の負の遺産にいまだ苦しむ
その後、トップに返り咲いた瀬戸氏は、シェア重視で買収に奔走した潮田路線を転換、潮田氏が主導した持ち株会社も解消した。しかし、負の遺産は残ったままだ。
LIXILは過去、潮田氏の買収案件で大やけどを負っている。3800億円の大枚を投じて買収した独グローエの中国子会社であるジョウユウで不正会計が発覚、660億円の損失を計上した。上海美特カーテンウォールで出した損失は数百億円。それ以外の中国、インド事業でも現地人に経営を任せたことが災いして手痛い目に遭った。損失の合計は1000億円を超えるとみられる。
中には瀬戸氏の前任で、元ゼネラル・エレクトリック上級副社長の藤森義明氏がLIXILグループのCEOだった時に手掛けた買収案件もあるが、実質的な意思決定権者は潮田氏。そのご仁が懲りずに進軍ラッパを吹いた。
今回、損失計上につながったペルマスティリーザについても、LIXILの主要事業であるサッシやトイレは売り切り型。一方、ペルマが手掛けるカーテンウォールは、収益を数年がかりで計上するため、売り切り型に比べてリスクが高い。そこで瀬戸氏はLIXILの業績を安定させるために売却したのだが、残滓となっていまも首を絞めている。