「裏金って言うな!」自民党が幼稚な“言葉狩り”…岸田首相「定義は困難」でゴマカす無責任

公開日: 更新日:

野党「共闘」で火だるま必至

 実は施政方針演説でも、岸田首相は「裏金」との言葉を一切、使わなかった。「国民から疑念の目が注がれる事態を招いた」と謝罪したが、あくまで裏金を「政治資金の問題」という表現にスリ替えた。

「岸田首相は昨年11月、岸田派が政治資金パーティーの収入を修正した際、国会で『修正しても総額は変わっていない。裏金うんぬんという指摘はあたらない』と豪語。あくまで記載漏れとの認識を示したが、一転して派閥の会計責任者が立件される事態に。とはいえ、あれだけ大見えを切った手前、今さら裏金を認めるわけにもいかず、定義をウヤムヤにしてけむに巻こうとしているのでしょう」(政界関係者)

 そんな岸田首相の心中を察したのか、野党議員が国会で「裏金」と口にするたび、自民側は猛抗議。1月31日の衆院本会議の代表質問で立憲の泉代表が、辞任した政務官2人について「裏金をもらっていた」と批判すると、自民の議院運営委員会の理事が登壇して異議を唱えた。

 その2日前の参院予算委では共産党議員が用意したパネルに裏金の記述があるのを自民の理事がケチをつけ、〈「裏金」〉と手書きのカギかっこでくくることで決着。おかげで開会が30分ほど遅れた。

 党を挙げて「裏金禁句」の幼稚な追及逃れ──。当事者意識に欠けた無反省な「言葉狩り」にかまけている限り、今国会で岸田政権は火だるま必至である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ふざけるな、石破政権もサラリーマン増税かよ!潰れたはずの「退職金課税」政府税調で再浮上

  2. 2

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  3. 3

    玉木雄一郎氏に「包囲網」…“グラドル不倫”騒動収まらず、自民・立憲・財務省で思惑一致

  4. 4

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  5. 5

    ダイエー、イトーヨーカ堂…日本の小売りを支えた都市型総合スーパーが衰退した理由

  1. 6

    裏金自民「企業・団体献金の禁止」そっちのけで「個人献金の税制優遇」だあ?カネ集めのためなら“斬新策”次々

  2. 7

    斎藤元彦知事「百条委」の欠席理由「全国知事会」はそんなに重要? 自身の過去出席率は4割弱

  3. 8

    自民裏金議員12人が“ドサクサ復権”の仰天! 党役職抜擢の全員が政倫審での弁明は拒否した面々

  4. 9

    物議醸す石破首相の「座ったまま握手」は外務省の大失態! 外交デビューにミソ、元国際情報局長バッサリ

  5. 10

    1ドル=160円台の“悪夢”再来か…植田日銀「利上げは情勢次第」発言でズルズル円安に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動