円安・物価高で「100円均一」崩壊間近…業界は売り上げ好調も、価格維持いよいよ困難に
帝国データバンク情報統括部の飯島大介氏は、業界の現状をこう分析する。
「100円ショップが生まれた40年前と比べて、取り巻く環境が変化しています。かつて中国は人件費が安く、安価な商品を現地の工場で大量生産できた。それが今や、中国の人件費は上昇し、日本の賃金上昇率は伸び悩み、立場が変わった。原油価格も上昇し、以前より輸入コストがかかっています。ここまで状況が変わるとは、業界にとっては予想外のはずです」
■「300円ショップ」が拡大中
近年はよりデザイン性や品質に優れた「300円ショップ」の店舗網が拡大し、2023年度末には1000店舗を超えた。ある程度の値上げは、受け入れられつつあるようだが……。
「今まで100円均一という看板でやってきただけに、各社は難しい判断を迫られます。100円にこだわるか、それとも値上げに踏み切るか。少なくとも、100円の価格を維持するのは苦しい状況です」(飯島大介氏)
業界は曲がり角にきている。