財務省“不意打ち介入”で1ドル=157円台に急伸も…識者は「円安は止まらない」と効果に疑問符

公開日: 更新日:

■効果はあったが対症療法

 もっとも、一時的に円高に振れたとはいえ、歴史的な円安に歯止めをかけられそうにない。

「4円以上も円高に振れたので、介入そのものの効果はあったと言えますが、単なる時間稼ぎに過ぎません。一時しのぎにはなっても、対症療法に過ぎず、効果が長引くかは疑問です。足元の円安は日米の金利差が要因のひとつではあるものの、日本経済の停滞に伴い円の魅力が落ちているのも事実。対ドルだけでなく、全面安です。自動車産業に依存した一本足では日本の競争力はジリ貧です。為替差に頼った戦略を改め、新産業で稼ぐ活路を見いださない限り、円安基調に歯止めがかかるとは思えません。このままでは1ドル=360円の固定相場制の時代に逆戻りですよ」(斎藤満氏)

「不意打ち介入」を繰り返しても、いたずらに資金を減らすだけ。円安を放置し続けた政府・日銀の罪は重い。

  ◇  ◇  ◇

 円安物価高の“A級戦犯”とされる黒田東彦・前日銀総裁が瑞宝大綬章を受章したことが物議を醸している。●関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  2. 2

    「転職者は急増」なのに「人材派遣会社は倒産」が増えているワケ

  3. 3

    大阪万博「ガス引火」の懸念は消えず 西ゲート付近喫煙所は設置断念も、たばこポイ捨てで…専門家が警鐘

  4. 4

    喫茶店の倒産が過去最多ペースに…昭和レトロブームでも存在意義薄れ、勝てる要素なし

  5. 5

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続

  1. 6

    大阪万博まで1カ月で異常事態! リングの盛り土ボロボロ削れ浸水被害の恐れ…識者は台風や高潮を危惧

  2. 7

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  3. 8

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 9

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由