年金財源24兆円が1カ月余りで溶けて消えた…ブラックマンデー超えと世界同時株安が直撃!
さらにGPIFは同じ比率で外国株式も運用し、やはり減り幅はハンパない。6月末の運用残高は65兆3768億円。主なベンチマークは全世界株式インデックスファンドの「MSCIーACWI」(円ベース)で、米国の景気減速懸念に端を発した世界同時株安により、6月末の4912円から8月5日には4115円に悪化。下げ幅は16.2%に達し、外国株式の運用残高はザッと10.6兆円ほど目減りした計算だ。
■昨年度の運用益の半分強を吐き出す
世界同時株安により、24兆円近くもの年金財源があっさり溶けて消えた格好で、わずか1カ月余りに昨年度1年間の運用益の半分以上を吐き出したことになる。
「残る国内債券も日銀の追加利上げで赤字必至。海外債券は急激な円高で、米国の利下げによる外貨建ての上昇分が相殺されます。いとも簡単に全てのポートフォリオが下落してしまうのです。年金財源が高リスクにさらされているのは安倍政権の弊害です。2014年に株式の運用比率を国内外計24%から計50%にアップ。アベノミクスの成果強調のため、株価維持策を進めたせいです。今後も株安が続けば、むしろ相場に逆行して年金財源の日本株大量買いが発生しかねません」(株式評論家・斎藤満氏)