著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

三菱UFJはネット証券再編で劣勢挽回なるか…“消える”auカブコム証券

公開日: 更新日:

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)とKDDIが共同で出資するネット証券とネット銀行の資本関係を再編する方針を固めた。来年1月末にも、三菱UFJが「auカブコム証券」へのKDDIの出資分(49%)を、KDDIが「auじぶん銀行」への三菱UFJの出資分(22%)をそれぞれ買い取り、完全子会社化する。

 新しい「少額投資非課税制度(NISA)」の拡大など投資熱の高まりを受け、それぞれの注力分野に経営資源を集中するのが狙いだ。三菱UFJは完全子会社化を機に、「auカブコム証券」の名称を、自行名を冠した「三菱UFJeスマート証券」に変更し、個人向け事業を一段と強化する。両社は、資本関係の見直し後も生成AI(人工知能)の活用でノウハウを持ち寄るなど関係を継続するとしている。

 だが、この報道を額面通りに受け取る金融関係者は少ない。「両社の協働は当初の思惑通りにうまくいってはいなかったのではないか、とくに三菱UFJには、このままではネット証券戦略で競合他行に劣後したままになるとの危機意識が強かったようにみえる」(金融筋)というのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ