りらいぶ 佐々木貴史社長(1)20歳が起業家としての原点
生まれは福島県郡山市だが、国鉄職員だった父の転勤で引っ越しを繰り返した。幼い頃は病弱で学校も休みがち。高校も出席日数ぎりぎりで卒業した。そんな体調のため進学もできず、療養しながら、国鉄を辞めて独立した父の事業を手伝うしかなかった。しかし、その事業もうまくいっておらず、窮乏生活が続いていた。
「その頃の僕には夢も希望もなかった」
そんな佐々木氏だったが、神様はひとつだけプレゼントをくれた。それが、一人で学ぶ能力だった。
学校にもあまり行けなかったため友人もいない。そんな佐々木氏の遊び道具が将棋だった。もちろん、相手はいない。しかし、独学で将棋を学ぶうちに棋力は上がり、アマチュア3段を取るまでになった。そしてこの能力は、その後も存分に発揮されることになる。
起業家としての原点は20歳の時に遡る。父の手伝いのついでに上京した佐々木氏は秋葉原の電気街で、黎明期のパソコンに出合う。パソコンを使った仕事なら病弱でも、そして一人でもできる、そうすれば今の生活から脱却できる、と考えた佐々木氏はなけなしのお金をはたき、8万円で中古パソコンを購入する。