とんきゅう 矢田部淳社長(1)高1で人生の転機が…キッチンで指揮を執るシェフの姿に衝撃
とんきゅうは、矢田部淳(36)の父・武久さんと、英国出身の母・シェイニーさんが1983年、茨城県つくば市にとんかつ「とんQ」を開店したのが始まりだ。その後、千葉県や埼玉県にも店を開き、現在はとんかつのほかイタリアン、焼き肉など4業態12店舗を運営している外食企業である。
“ど素人”が始めたとんQだったが、本物にこだわるおいしい料理と、心を込めたプロの接客で、人気店としてマスコミでよく取り上げられる。
経営理念も特徴的だ。「三位一体の歓喜・感動 夢実現・感動共有カンパニー」。
「三位」とは、客、会社、働く仲間のことで、この三者を幸せにすることをモットーにしている。現社長の淳も、父がつくったこの経営理念を大切に引き継いでいる。
子どものころ、両親は家業で忙しかったが、十分な愛情を注いでくれた。
矢田部家は“国際的”でもあった。姉が2人いて、家族でよく海外旅行に出かけた。夏休みなどは、英国の母の親戚の家に長期滞在した。家で父と話す時は日本語、母たちとは英語だった。