経済界訪中団は中国首脳と会えず…日本製鉄の「凋落」が浮き彫りに

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■かつての「老朋友」

 でも、新日鉄は中国が上海に宝山製鉄所を建設して工業化をスタートさせたときに多大な支援をして、敬愛を込めて「老朋友(ラオ・ポン・ヨウ)」と呼ばれた企業だ。宝山の合弁事業から撤退したとはいえ、進藤氏が1975年以来50年目になった訪中団を率いているのに、冷た過ぎた。

 面談した何副首相は習主席の側近のひとりとはいえ、昨年の関西経済連合会の訪中団も会っている。今回のそうそうたる顔ぶれも、関経連並みの扱いか?

 いや、実は昨年11月に訪中した経済同友会の新浪剛史代表幹事は、序列8位とされる韓正・国家副主席と面談した。今回はそれ以下だ。日中経済交流に通じたある経済人は「中国の工業化に貢献した新日鉄の先達が、あんな冷遇を知ったら嘆くだろう」と言っていた。

 日鉄に代わる親中派の代表はいないのか?

 すぐには見当たらないね。

(構成=竜孝裕/ジャーナリスト)

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