著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

東條英機はハルノートをどのように天皇に報告したのか

公開日: 更新日:
ハル・ノートの内容を知らせる野村吉三郎駐米大使から外務省への公電。右は冒頭部分、左は要求項目で、(3)として中国とフランス領インドシナからの撤収が書かれている(外交史料館蔵)

 昭和天皇が東條英機首相から、ハルノートの内容について報告を受けたのは、11月27日の午後1時27分であった。東條がどのような内容を報告したのかは「昭和天皇実録」にも詳しくは書いていない。しかし、どのような内容であるかは容易に想像できる。

 日本の各機関にハルノートの全容が…

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