著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

民主主義志向の官僚と“無自覚の社会民主主義者”田中角栄

公開日: 更新日:
手をつないで万歳する(左から)佐々木良作民社党委員長、大平正芳首相、都知事に初当選した鈴木俊一、竹入義勝公明党委員長=1979(昭和54)年4月9日、東京・新宿(C)共同通信社

 旧内務省の地方局畑育ちの官僚は、警保局育ちの官僚よりもはるかに民主主義的な志向が強かった。田中角栄の派閥にはそういうタイプの官僚が集まっていた。いわゆるハト派タイプも少なくなかった。逆に警保局育ちの官僚は、例えば自民党の中でもタカ派の言動が目立つ時があった。

 田中の熱狂…

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