西武・涌井らが権利行使の構えも…FA戦線は来季が本番
それもこれも、ほとんどの球団にとって「FA戦線は来季が本番」という意識があるからだ。
来年中に国内FA権取得が期待できる選手は、楽天の嶋(28)を筆頭に粒揃い。先発ならオリックス金子(29)、阪神能見(34)、西武岸(28)、ロッテ成瀬(28)、日本ハム武田勝(35)。リリーフの巨人西村(28)、日ハム宮西(28)もFA宣言をすれば争奪戦は避けられない。野手でも西武炭谷(26)、ソフトバンク松田(30)、日ハム大引(29)と、各球団の主力が多い。
ある球団の編成担当が言う。
「来季のFA市場がこれほど豊作でなければ、大竹や涌井はより多くの球団を巻き込んだ争奪戦になったかもしれない。しかし、来季中にこれだけの選手が国内FA権を取得すれば話は別。大竹や涌井に無理して大枚をはたくのがバカらしくなってくるほどです。名前の挙がっている選手が所属する球団も、来オフは引き留めにてんてこ舞いになるでしょう。金庫に余裕がある球団はともかく、今オフはうかつにカネを使えないのが現状です」
岸と炭谷を抱える西武が「今年はFA選手は取りません」と公言しているのも余裕がないからだろう。
多くの球団が「補強より、今は若手の底上げ」と口を揃えているのも納得だ。