即戦力投手逃した巨人 中日の“Gキラー”FA中田賢獲りも
巨人は東京ガスの石川を1位で入札したものの、ロッテとの競合の末にクジ引きで敗れ、外れ1位で小林誠司捕手(日本生命=24)を単独指名した。
夏場に先発陣が総崩れしたことで、原監督は即戦力投手の獲得を望んでいたが、あっさり捕手へ方向転換。2位以下は高校生ばかりだった。結局、即戦力投手の指名はなし。クジを外した原監督は「(小林は)非常に洗練された捕手。阿部という素晴らしい捕手がいるが、彼のDNAを引き継いで、近未来、正捕手として戦える力を持っている」と笑顔。
「石川と迷った? やや(石川が)上回ったという状態。これはもう甲乙付けがたかった。でも、ほぼ100点のドラフト」と悲愴(ひそう)感はなく、即戦力投手は取れなくても仕方ないと言わんばかりだった。
今年の巨人の1位候補は目まぐるしく変わった。最初は捕手からスタート。次に桐光学園の松井、そして即戦力投手に移行した。山下スカウト部長は「即戦力投手? うちはそこそこの選手がいるから、(2位以下は)若手を重視した」と話した。「若手うんぬん」を言うなら、松井や大阪桐蔭の森といった甲子園のヒーローを指名すれば盛り上がったが、結局回避。ただ、「即戦力投手は何らかの形で? そうですね」とFAなどで補強することをにおわせた。
このオフ、FAで動向が注目される投手は西武の涌井(27)、広島の大竹(30)、中日の中田賢(31)などがいる。原監督は巨人戦に強い選手を好む傾向がある。かつて、「巨人キラー」と言われた中田賢の獲得に動く可能性が出てきた。