ソチ、W杯熱狂を利用する安倍首相「日本は強い」のロジック
無理やりひねり出す「日本は強いんだ」というロジックは、安倍の「日本人ならば再び、強い成長を取り戻せるんだ」という妄想に似ている。これぞ、時代錯誤の幻想なのだが、世の中には妙なナショナリズムが蔓延(まんえん)しているものだから、人々はそれに気づかない。前出の小幡績氏は「優秀な日本製品であれば、世界中が歓迎する時代は終わりました」と明言する。
「その地域、国に合ったデザイン、品質をカスタマイズすることが重要で、それがグローバル化なんですよ」
つまり、メード・イン・ジャパンのブランドに固執していてはダメなのだが、「ニッポン」「ニッポン」の連呼が勘違いを助長させていくのだろう。サッカー大国でもないくせに、つくられたワールドカップへの熱狂に乗せられていると、時代に逆行する道を歩みかねない。