専門筋に聞いた ソチ金メダル最有力・高梨沙羅の“敵”は?
ソチ五輪で男女ともメダル取りが期待されるのがジャンプ勢だ。
今大会から採用された女子では言うまでもなく高梨沙羅(17)の初代女王が有力視されている。男子では欧州で“レジェンド”の異名を持つベテラン葛西紀明(41)が昨年12月のW杯ドイツ大会(ティティゼーノイシュタット)で3位に入り、史上最年長で表彰台に立った。日本のアベック優勝はあるのか。「日本ジャンプ陣 栄光への挑戦!」(世界文化社)の著者で、アマチュア専門のスポーツライター・折山淑美氏に「日の丸飛行隊」の可能性について聞いた。
――上位進出が有力視される高梨は金メダルを取れますか?
「最有力候補なのは確かです。女子ではライバルのサラ・ヘンドリクソン(19=米国)と並んで実力は頭一つ抜けています。金メダル争いはサラが万全なら2人に絞られるでしょう」
――高梨の実力は本物と見ていいのですか?
「体重が軽い(43キロ)のが有利に働いています。技術的には助走の滑りが正確で、上半身に無駄な動きがないため、踏み切りから空中姿勢を作るまでがものすごく速い。踏み切りでスキーが無駄に動くと減速してしまいますが、高梨は風圧を受けずにスピードのロスなく飛び出しができているから、飛距離も出るのです。研究熱心なことも世界のトップに立つ要素の一つです」