専門筋に聞いた ソチ金メダル最有力・高梨沙羅の“敵”は?
■侮れない欧州勢
――彼女たちは侮れないと。
「今季のW杯ランキングから五輪での滑降順は上位の高梨が後で、下位の欧州勢が先になる。下位の選手がヒルサイズ越えの105メートルでも飛べば、高梨ら上位の選手はそれ以上に飛距離が出る。故障のリスクを回避するため、ゲートを下げられ助走距離が短くなり、追い風になれば当然、飛距離が出なくなります。ゲートファクター(スタートゲートの上下移動で加減される得点)、ウインドファクター(風の強弱によって加減される得点)をもらえても、ノーマルヒルの距離点は1メートルにつき1.8点だから5メートル違えば9点違ってくる。天候が荒れた場合、結果は分かりません」
――男子はどうでしょう。
「葛西以外にも伊東大貴、竹内択らが安定しているので、団体でもメダルの可能性がある。『沙羅、沙羅』と騒がれているから、男子は逆に気楽に臨めるかもしれません。男子は自信を持ってきているから。あとは風とか条件が合えば、表彰台は見えてきます」
▽おりやま・としみ 1953年長野県生まれ。神奈川大学工学部卒。主に雑誌に執筆するアマチュア専門のスポーツライター。アマチュアスポーツに関する著書が多数ある。