専門筋に聞いた ソチ金メダル最有力・高梨沙羅の“敵”は?
――ライバルのヘンドリクソンは手ごわそうですが。
「(昨年8月の)右ひざの手術からの復調度合いにもよります。一度、ひざを痛めているので、故障する前のようにヒルサイズを越えていてもしっかりとテレマークを入れられるか。ヘンドリクソンは体よりも、精神的にどこまで回復しているかが高梨との勝負の明暗を分けると思います」
――高梨に不安はありませんか?
「気象条件だけですね。助走路に雪が積もれば、体重の軽い高梨はつまってバランスを崩して加速が鈍る恐れもあるからです。そういう状況なら体重がある選手の方が有利ですね。風の当たりはずれも勝敗を左右する重要な要素です。強い追い風を受けて飛距離が伸びずに有力選手が負けるのはジャンプでは珍しくありません」
――今季、結果を残しているエルンスト(ドイツ)らの新しい選手も出てきましたね。
「エルンスト以外にもクリネツ(15=スロベニア)ら欧州には高梨よりも若い選手が出てきた。ドイツは踏み切りがうまくなってきてチームとして鍛えられているから、風が当たれば飛んでしまう選手も出るはずです。コンディションが同じなら高梨とヘンドリクソンが頭一つ抜けているが、欧州にはポテンシャルを秘めた選手が出てきている」