メディアに“異例要望”も…ドッチラケに陥った阪神キャンプ
1月初旬、阪神はキャンプ報道の件で取材陣を集めた。例年は一軍が宜野座(沖縄)、二軍が安芸(高知)という位置付けだったが、今年は「一軍」「二軍」という呼称をやめ、「沖縄組」「安芸組」とする旨を要望したのだ。
「今年のキャンプでは、和田監督が<若手の底上げ、育成>を掲げた。阪神が常勝チームを構築するには、ベテラン頼りではなく若手の底上げが必要不可欠。自分の目の届く一軍にこれはという中堅、若手を集めて、<育てる>ことを重視しようという和田監督の意向だ。そうなると、何人かのベテランが安芸スタートになる。これを二軍スタートなんて書かれると、気分が良くない。一軍、二軍の呼称をやめたのは、そうしたベテランへの配慮もあったのだろう」
とは、阪神OB。
が、フタを開けてみれば、その“一軍”に投手陣は3年目の歳内、2年目の金田らが抜擢されたものの、総じて例年と大きく代わり映えがしない主力、ベテランが中心のメンバー構成となった。
キャンプの視察に訪れる某球団の編成担当はこう言った。
「36歳の新井貴や福留は安芸スタートで、沖縄は北條や一二三ら若手を抜擢したフレッシュなメンバーになると思っていた。ドラフト1位の岩貞(横浜商大)や同3位の陽川(東農大)は合同自主トレで体調を崩し、調整が遅れたので仕方がないにしても、若手育成と掲げた割には結局、主力とベテランばかり。聞けば、新井貴や福留が沖縄スタートしたい意向があったそうです。一、二軍という呼称をなくした意味が薄れた感はあります」
キャンプがスタートして若手をビシビシ鍛えることができるのは実質、練習試合が始まるまでの2週間程度といわれている。短い期間にメンバーを入れ替えるわけにもいかない。
ベテランへの配慮で若手育成が頓挫……というならそれこそ、「看板倒れ」のキャンプである。